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【玉川大学工藤教授・IELTSライティング導入報告】 ReallyenglishのeラーニングでIELTSライティングを強化


目次[非表示]

  1. 1. 2020年度後期授業での活用方法
  2. 2. 学習管理の方法
  3. 3. 本コースの有効な活用法
  4. 4. 今後の改善要望

1. 2020年度後期授業での活用方法

2020年度の秋学期、英語教育学科の2年生33名に対して、IELTS Writingのプログラムを主教材の1つとして使用しました。受講学生は、本来は2年生の夏休み途中から9か月程度の留学を予定していましたが、コロナウイルス感染拡大のために留学がキャンセルになった学生でした。本授業は、そうした学生たちに対して、総合的な英語力を向上させる目的で、特別に設定した授業です。

本学科では、留学の前後でIELTSを用いて留学の効果検証を行っており、留学が中止となっても、英語力の伸長をIELTSで測定することを想定して、本授業では、IELTSのライティングに特化したこのプログラムを採用しました。

また、本学科では、英語学習についてのeラーニングのプログラムの導入を行っておらず、今後を見据えて、何らかのプログラムを試行的に利用することを、授業者は個人的に考えていたこともあり、このプログラムを利用することにしました。

この授業では、IELTSの対策を目的としながら、総合的なライティング能力および全体的な英語力の向上を目指して、指導を行いました。


2. 学習管理の方法

本プログラムの管理者画面から、各学生の「学習レポート」が閲覧できるようになっているため、学習時間等の基礎データをもとに、学生の進捗状況をその都度確認しました。

データファイルは、「ダウンロード」を選択すると、メールでリンクが送られてくるため、一括データが必要な場合は、この機能を使って、データを受け取りました。このプログラムの各レッスンでは、「タスク分析」「基礎学習」「ライティングスキル」「テスト」という4つのステージがこの順番で展開していく構成になっていますが、本授業では、「タスク分析」「基礎学習」「ライティングスキル」を予習課題として設定し、その進捗状況を確認した上で、授業で補足説明等を行い、そのあとに「テスト」でパラグラフを授業外で書くという流れで指導しました。

管理画面では、アクセス日時等も表示されるため、各学生が課題の期日までに指定された箇所の学習を行ったかどうかを確認することができました。


3. 本コースの有効な活用法

本授業はライティングに特化したものではなかったため、15回のすべてのレッスンを行うことはできませんでしたが、ライティングに特化した授業であれば、授業外学習で「タスク分析」「基礎学習」「ライティングスキル」「テスト」の各段階を行い、授業では、教員からの補足説明や学生からの質問への回答、そして、書いたものを用いてピアフィードバックなどを行うことで、15回全てのレッスンを行うことが可能だと思います。IELTS のライティングでは、2問(グラフ描写問題と意見陳述問題)出題されますが、このプログラムは、この2 問をバランスよく扱っていることに加えて、レッスンをどの順番で行うかは教員が(あるいは学生が)選択できるため、例えば、グラフ描写問題のレッスンのみを続けて行ったり、あるいは、グラフ描写と意見陳述の2タイプのレッスンを交互に行ったりするなど、授業の目的や学生のレベルなどに合わせて、フレキシブルに利用が可能です。

また、「基礎学習」の段階などで表現等を学習する問題がありますが、一度行ったものでも、再度学習が可能なので、学生の理解度に応じて、同じ箇所を繰り返し行ったりすることで、効果的な学習が可能になります。各レッスンの「テスト」の箇所では、本プログラム上で作文をタイプしていくことが可能ですが、タイプしたものはコピーして、ワードファイルに貼り付けた上で、そのファイルを保存しておくことを学生に指示をしておくとよいでしょう。そして、そのファイルを教員に送る(あるいは対面授業であればプリントアウトしたものを教員に提出する)ことで、教員が添削やコメントを入れることが可能になります。


4. 今後の改善要望

このプログラムをより利用しやすく、あるいは、効果的に利用するための要望として、以下のものが挙げられます。

  • 一度行った学習については、個別の問題レベルで、その問題に自由に戻れる設定があるとよい。現在は、最初から再度進めていかないと、再度取り組みたい箇所に行くことができないため。

  • 「テスト」の箇所で、制限時間が設定されているが、「時間設定なし」のモードがあったり、教員が自由に時間を設定できる機能があるとよい。

  • 「テスト」はパラグラフレベルのものを書くことになるため、作文の入力画面だけではなく、横にメモ入力画面のようなものがあるとよい。また、このメモも保存され、教員が後で見ることができると、指導に活かせるものになる。

  • 理想的には、「テスト」の箇所で、学生が入力して保存した作文に対して、教員が本プログラム内で、コメントや添削を入れられる機能があるとよい。さらに言えば、教員が事前に、よく使うコメントをプログラムに入れておき、それを選択すれば特定の学生の特定の作文にそのコメントが入れられる機能(コメントバンク作成機能)があるとよい。

  • これも理想だが、「テスト」の箇所で、スペリングチェックや基本的な文法チェック機能があるとよい(また、その機能のon/offを教員が自由に設定できるとよい)。さらに、チェックが入った項目がリスト化され、クラス全体のエラー傾向などがデータで一覧できる機能があるとよい。



執筆者紹介 ​ABOUT THE WRITER

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工藤洋路先生​
玉川大学 文学部 教授
日本女子大学附属高等学校教諭、東京外国語大学講師、駒沢女子大学講師を経て現在に至る。
東京外国語大学 博士課程 地域文化研究科 修了。博士(学術)
英語教育学、その中でも、特に英語ライティング論や英語授業論について研究。
主な著書は『自由英作文はじめの1冊』(アルク)。
Eテレ『知りたガールと学ボーイ』やNHKラジオ第 2「高校講座 英語表現Ⅰ」にも出演。


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