効果の出る英語研修の形態とは? ~今注目の反転学習、モバイルラーニングを活用

効果の出る英語研修の形態とは? ~今注目の反転学習、モバイルラーニングを活用

2019.06.07

企業が英語研修の導入を考えている場合、おそらく会社の会議室などで行う集合研修を検討しているケースが多いのではないでしょうか。しかし最近では、リアル研修とオンライン研修の両方を活用した「反転学習」の手法が注目されています。

そこで今回は、英語研修の四大形態の比較や、大きな効果が期待できる“モバイルラーニングを活用した反転学習”の概要と効果について解説します。

1. 英語研修の四大形態とは

グローバル化の進行や少子化による国内市場の縮小に伴い、大企業のみならず、中小企業でも英語の活用や「グローバル人材」が求められるようになってきています。こうしたことから、昨今、英語研修を導入する企業が少なくありません。

英語研修を取り入れようと考える場合、まずは、その形態を知っておく必要があります。現在、英語研修の形態としては、大きく分けて次の4つが挙げられます。それぞれの概要と期待される成果、メリット・デメリットをみていきましょう。

 

1. 集合研修

決められた時間に、会社の会議室などの会場で、複数人同時に受講する研修です。学校の授業同様、テキストを用いる講義形式です。受講期間は通常6ヶ月ほどで、例えば週一回1時間を24週行い、トータルで24時間といったように行われます。

  • 成果

集合研修では英語の4技能「話す」「聞く」「読む」「書く」のうち、特に「聞く」力の成果が出やすく、2~3名の少人数制であれば、「話す」力の向上も期待できます。

  • メリット

・「話す」「聞く」の成果が出やすい。

・緊張感があり、集中しやすい。

  • デメリット

・「読む」「書く」力は向上はしにくい。

・講師の質が成果を大きく左右してしまう。

 

2. 通信教育

本やCDを用いた自己学習を行い、課題を終えたら郵送などで提出し、添削指導を受けながら学びます。学習時間は個人差があるため測定できませんが、受講期間は6ヶ月ほどが一般的です。

  • 成果

成果の測定はむずかしいですが、4技能「話す」「聞く」「読む」「書く」のうち、「聞く」「読む」については大きな成果が期待できます。

  • メリット

・自宅などで時間を問わず学習できる。

・TOEICに特化しているものが多いのでTOEICの個人学習には向いている。

・本やCDを保管できる

  • デメリット

・人事担当者が学習時間を確認できないため研修には不向き。

・添削の戻りは提出から2~3週間後であることが多いため、タイムラグがある。

・「話す」「書く」力は向上しにくい。

・レベルは申込時に指定するため、学習期間中に変えられない。

 

3. オンライン研修

場所と時間を選ばず、PC・スマホ・タブレットにより、オンラインで自己学習する研修です。総計300時間以上、6ヶ月に渡るものなどがあります。

  • 成果

4技能「話す」「聞く」「読む」「書く」のうち、「聞く」「読む」「書く」について大きな成果が期待でき、「話す」についても伸びが期待できます。

  • メリット

・いつでもどこでもPC・スマホ・タブレットがあれば受講可能。

・4技能すべてをカバーできる。

・添削はネットを介して提出から数日以内に返信が来ることが多いため学習ペースが速い。

・企業側も、学習状況を管理しやすい。

  • デメリット

・マイペースで進められる反面、モチベーションを維持することが難しい

・本やCDのように保管できない(ただし学習内容をプリントする機能あり)

 

4. 語学スクール

決められた時間に、語学スクールの教室でテキストを用いて、講師による講義形式で研修が行われます。およそ6ヶ月かけて、週1~3回のペースで通うのが一般的です。

  • 成果

集合研修同様、4技能「話す」「聞く」「読む」「書く」のうち、特に「聞く」力の成果が出やすく、2~3名やマンツーマンの少人数制であれば、「話す」力の向上も期待できます。

  • メリット

・「話す」「聞く」力が向上しやすい。

・開始時のレベルチェックで学習期間中、レベルを変更できる場合もある。

  • デメリット

・決められた時間に、決められた場所へ通う必要がある。

・「読む」「書く」力は向上しにくい。

・講師の質により、成果に大きな差が出る。

・4つの研修形態の中で最も高額である。

2. 今注目を集める「反転学習」を活用し、英語研修の効果を高める

テクノロジーが進化している昨今、リアル研修とオンライン研修のメリット・デメリットを補う「反転学習」という研修スタイルに注目が集まっています。

オンライン研修については、今はほとんどのビジネスマンがスマートフォンを持ち歩いていることもあり、隙間時間を活用した「モバイルラーニング」が注目を集めています。

リアルの座学研修と、スマートフォンやタブレットによるオンライン学習、モバイルラーニングを組み合わせることにより、リアルとオンラインそれぞれの弱点を互いにカバーすることができるため、より一層、研修効果を高めることが可能になります。

特に「反転学習」の形で組み合わせることで、さらにリアルとオンライン研修のメリット・デメリットを補い合い、効果が高まります。

 

反転学習とは?

反転学習とは、従来の「授業→事後学習(復習・宿題)」の流れを反転させて「事前学習(予習)→授業」の流れで進める学習方法のことです。つまり、授業の前に受講者がその授業の内容を予習し、授業当日には予習で学んだ内容をもとに講師の授業を受けたり、受講者同士でディスカッションをしたりします。この反転学習は、近年米国で生まれた学習法で、日本でも東京大学・京都大学など複数の有名大学がすでに試行していることなどから、今後、国内でますます注目が高まっていくと予想されます。

  • 効果

受動的に授業を受けるのではなく、事前に予習した上で授業に参加するため、能動的に学習に取り組めるほか、分からないところが事前に特定できるので、授業で質問できることなどから、理解のスピードが早く、習得効率も上がる効果が期待できます。

 

モバイルラーニングとは?

モバイルラーニングとは、スマートフォンなどのモバイル端末を利用した学習全般を指します。従来のe-learning(イーラーニング)のほか、学習アプリの使用やオンライン講義なども含まれます。

  • 効果

いつでも、どこでもスマートフォンやタブレット上で学習できることから、内勤、外勤問わず、あらゆる職種に活用できます。また学習のしやすさから、より意欲的になり、学習効果も一層高まるという効果が期待できます。

3. まとめ

リアル研修とモバイルラーニングを組み合わせた反転学習は、今後、ますます注目を集めて行くと考えられます。ぜひ企業研修の選択肢の一つに加え、目的に合った手法を見つけてください。