英語研修で成果を出すために~目的と対象者の明確化

英語研修で成果を出すために~目的と対象者の明確化

2019.07.29

企業の英語研修で成果を確実に上げていくためには、ポイントを押さえる必要があります。そのポイントとなるのが「目的を明確に定めること」です。

今回は、実際に英語研修で成果を出している企業の事例をご紹介します。

1.英語研修で成果を出している企業が絶対に押さえているポイントとは?

英語研修で成果を出している企業が確実に押さえているポイントは、

「誰」を「いつまでに」「どういう状態に」させたいか?

という点です。つまり、目的を明確に設定することが重要になるのです。

例えば、「全社員対象」の「自己啓発」を目的とした英語研修と、「グローバルリーダーを育成するため」の「限られた社員」を対象とする英語研修では、社内体制や英語研修の組み方、内容も大きく異なってきます。目的をしっかりと定めていないと、的外れの研修を対象者に受けさせることになり、期日がある場合には、その期日までに必要な英語力に満たない結果となり、失敗に終わってしまいます。

では実際、どのような課題やニーズがあり、目的はどのように設定し、誰に、どのような英語研修を行ったのかが分かる3つの企業事例から、成功ノウハウを見ていきましょう。

2.社内公用語を「英語」にした企業の場合

A社は、組織全体のグローバル化推進のため、社内公用語を英語にし、TOEICのスコアを昇格要件としたことで社員に火がつきました。社員のスコアによって英語学習の手段を変えるなどして、5年で全社員がTOEIC780点を達成しました。

 

【課題】

・グローバルサービス展開の加速
・事業部間における英語による情報共有
・国内外からの優秀な人材の確保

 

【対策】

・社内公用語の英語化

・TOEICスコアの昇格要件へ取り込み

・ゲーミフィケーション
全社共通の目標スコアを定め、目標スコアからの差異を一定の数値で区切り、どのスコア層にどれくらい社員がいるのかを見える化し、事業部別に競わせるなどして、ゲーミフィケーションを取り入れました。

・スコア層ごとに英語学習の手段も変更
例えば、まだ基礎が固まっていない社員にはeラーニング、すでにある程度、英語力が身についていて英会話に苦手意識をもっている社員には、ネイティブ講師による英語研修などを実施しました。

 

【成果】

3年で全社員の平均スコアが300点以上アップし、社内公用語英語宣言から5年で全社員がTOEIC780点になりました。

3.英語研修の対象者が新入社員の企業の場合

電機機器メーカーのB社では、新入社員17名に対してeラーニングによる英語研修を実施しました。全社員が修了し、TOEICの点数も平均50.3点アップしました。

 

【課題】

新入社員の英語研修の全員修了

 

【対策】

eラーニングを用いて英語研修を実施しました。

人事は「全員が修了する」ことをゴールに、グループを3つに分け、3名のグループリーダーに毎週、全グループの進捗状況を共有することにしました。自グループが他のグループと比べてどれくらい進んでいるのか、遅れているのか、遅れている場合はどうリカバリーさせるのか、リーダーへの提案も含めて、しっかりとフォローしました。

 

【成果】

修了率が高くないイメージがあるeラーニングですが、グループ分けをしてリーダーを置くなど、しっかりとフォロー体制を敷いた結果、新入社員17名全員が研修を修了することができました。結果、TOEICの点数も平均50.3点UPしました。

4.グローバルリーダー育成に注力した企業の場合

自動車部品メーカーのC社では、海外子会社へ派遣する人材の育成が急務の中、多忙などの理由により通信教育が失敗に終わり、eラーニングに切り替えたところ、隙間時間で学習できることなどから学習効果が表れ、TOEIC平均68点アップに成功しました。

 

【課題】

自動車業界全体で北米の売上が増加していることに伴い、海外子会社へ派遣する人材の育成が急務となったため、業務能力の優れた若手リーダー候補を選抜し、経営・財務教育に加えて英語教育も実施しました。英語教育の手段として、当初は「通信教育」を選択しましたが、通常業務の多忙さで時間を作れない、自身のレベルに合った学習ができないことによる社員のモチベーションの低下により、学習効果が見られませんでした。

 

【対策】

事前に実施したレベルチェックに基づき、各受講者のレベルに適したレッスンが自動的に提供されるeラーニングに切り替えました。

 

【成果】

隙間時間で学習できることなどから学習効果が表れ、TOEIC平均68点アップに成功しました。

5.まとめ

英語研修で成果を出すためには、目的と対象者の明確化が欠かせません。何を目的に据え、誰に対して、どの程度英語力をアップさせたいのかを、初めから明確に定めておけば、それを達成するための施策を確実に打っていくことが可能になります。